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アニサキス食中毒

アニサキス食中毒とは

アニサキスとは寄生虫の一種です。
アニサキスの幼虫は、長さ2~3cm、幅0.5~1mmくらいで、半透明の白い太い糸のように見えます。
アニサキスの幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどの魚介類の主に内臓表面に寄生しています。
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生で食べることで起きる食中毒を「アニサキス食中毒」といいます。

アニサキス食中毒の原因

アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を「生の状態」や、「不十分な冷凍・加熱の状態」で食べることで起こります。
アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して、アニサキス症と呼ばれる食中毒を引き起こします。

アニサキス食中毒の種類と症状

(1)胃アニサキス症
アニサキス幼虫が胃壁に刺入して発症します。食後数時間から数十時間後にみぞおちの激しい痛み、嘔吐を生じます。

(2)腸アニサキス症
非常に稀ですが、アニサキスの幼虫が腸壁に刺入して発症します。食後半日から数日後に下腹部への痛みや嘔吐、吐き気に襲われます。

(3)消化管外アニサキス症
非常に稀ですが、アニサキスが消化管を突き破り、別の部位へと寄生することで発症します。

(4)アニサキスアレルギー
アニサキスが抗原となり、蕁麻疹や呼吸困難やアナフィラキシーなどのアレルギー症状が出る場合があります。
アニサキス自体が抗原となるため、加熱処理の有無にかかわらず、発症してしまうといわれています。

アニサキス食中毒の検査・診断

アニサキス幼虫に対する効果的な治療薬はありません。

(1)内視鏡検査
胃カメラ・大腸カメラで穿入する虫体を摘出します。
場合によっては外科的処置が必要となります。
また、アニサキスアレルギーに対しては、アレルギーに関する対症療法を行いますが、アナフィラキシーの場合、緊急で医療処置を行う必要があります。

(2)血清検査
抗アニサキス体といわれる免疫反応の検査を行います。
腸などに感染している場合、診断の補助材料となります。

(3)エコー検査
食後間もない状態で、胃カメラ検査・大腸カメラ検査が難しい場合に腹部エコー検査を行います。